私の金沢百景

第1景 宝泉寺境内からの眺め(子来町)

 昔ながらの情緒が感じられる東山界隈。その一角にある宇多須神社横から子来坂という急坂が卯辰山の登山道となってのびる。その坂の途中右に枝振りのいい梅の木がありそこが宝泉寺の入り口となる。

 入り口より階段を上っていくと目の前に浅野川を中心とした金沢の街が飛び込んでくる。それはなんとも絶景である。

 ここは私がウォーキングを始めた数年前まったく知らずに訪れてこの境内からの眺めに感動を覚えた場所だ。

 今ではテレビ等で紹介されかなり人に知られている場所であるが、まず第一に私が感動した地でもあるので最初の1景はここを取り上げることにした。

ひがし茶屋街
 この境内から右に目をやると金沢駅周辺、正面下には浅野川梅の橋、正面の小高いところに金沢城、兼六園、遠く左奥には野田山が見える。

 また右すぐ下は観音町通り、ひがし茶屋街と金沢独特の黒い甍が続く。

 この宝泉寺は五本松の寺としてもしられており、境内には3代目の五本松が植えられている。金沢の年配の方には寺の名前より、五本松のところといった方がわかるようだ。

 この五本松はかの文豪泉鏡花ゆかりの木のようだが卯辰山をわが庭のように駆けずり回っていたという少年時代の鏡花の姿を想像しながらこの境内で佇むのも一興だ。

五本松
 さて、この景色が一番いいのはなんといっても日暮れ時だ。目の前を大きな太陽が真っ赤になって沈んでいく。今は高層ビルが建ちその中に沈んでいくが昔は日本海に沈む夕日も見られたに違いない。

 夕日が沈んだあとがまたなんとも言えぬ情緒がある。浅野川の梅の橋、大橋、中の橋の欄干や茶屋街の街灯が次々に灯り始める。

 見下ろす金沢の街の中に人々の生活が見えてくるようだ。

おわり

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