参照:月刊保団連No.522
指導はだれが行うのか? 指導は厚生大臣または都道府県が行政の責任で行うもので,指導医療官,事務官などが担当する.指導医療官が不足している県では,歯科医師を非常勤の国家公務員(医療官)に委嘱して対応することもある.
しかし、この場合もあくまで行政として指導するもので,歯科医師会として指導するものではない.指導の形態 指導には形式により集団指導,集団的個別指導 個別指導の三つに分かれる.集団指導と個別指導は都道府県単独で行う場合と,厚生省と共同で行う場合がある.
なお、歯科医師会が全会員または支部会員を対象に行う講習会などは集団指導ではない.集団指導と個別指導の違い 集団指導は講習会形式で保険診療の扱い、請求事務、診療報酬改定内容などを説明する.レセプトやカルテは持参しないし,返還金もない.新規指定後の医療機関や診療報酬改定時などに行われる.
集団的個別指導は都道府県によりバリエーションがあるが、原則は保険診療の扱いなどについて集団講習会形式で20分ほどの講演を行い,さらに個別面談で5件ほどのレセプトをみながら高点数であることの説明をもとめる(20分ほど).返還金はない.歯科医師数が多い都道府県では集団講習会部分のみを行うグループ,個別面談のみを行うグループに分けるところもある.
個別指導は指導月以前の連続した2カ月分のレセプトを行政が用意し,指導を受ける医療機関は当該カルテや関係書類を持参し,療養担当規則などに合致しているかどうかを確認する.間違いがあれば原則1年分の返還を求められる.対象は集団的個別指導を受けた翌年度も高点数の医療機関が新しく加わったほか.従来からある基準(支払基金,保険者,被保険者等からの情報提供や,その他必要と認められる医療機関)にもとづいて選定される.対象選定の基準について 集団的個別指導の場合、都道府県の社保本人の平均点の1.2倍以上で上位8%の医療機関が選ばれる.
(注:結果として、平均点数の1.2倍を超える上位8%の医療機関は集団的個別指導 個別指導 集団的個別指導と繰り返し指導を受けることになる.)「指導」と「監査」の違い 集団的個別指導や個別指導は,社会保険診療の向上を目的に行われるもので.ほんらい教育的意味合いが強い.指導ではあくまで指導を受ける保険医の任意の協力のもとに行われる.
これに対して監査は,いちじるしい不正・不当が疑われるときに実施されるもので、不正や不当が判明すれば経済措置だけでなく保険医取り消しなどの行政処分もある。
指導は拒否できる? 正当な理由として認められるものは(1)開設者,管理者が入院中で出席できない堺合(2)指導通知前に海外渡航しており,指導日までに帰国しない場合(3)冠婚葬祭(但し親族に限る)C天災その他やむを得ない事情により.指導に出席できない場合.
正当な理由とは認められないものは(1)なんの連絡もなく指導会場に現れないで,指導開始の時刻が経過した場合(2)選定理由などについて、納得する鋭明が得られなければ出席しないというような場合(3)行政が必要として通知した資料の持参が著しく不足し,指導が困難な場合(4)行政が必要としている立会者は不要と主張し、行政としての必要性に理解を示さない場合(5)会場に来ても指導を受ける意思がないもの(6)このほか指導の進行にあたり行政の指揮に従わない場合.
指導の対象となる医療機関を選ぶ選定委員会は? 選定委員会は,保険主管課長,国保主管課長,老健主管課長、指導医療官,事務官、非常勤の医師・歯科医師らで構成される.選定は行政の責任で行うとの立場から医師会・歯科医師会の代表は入らない.
しかし,対象者選定にあたり医師会・歯科医師会と協議することは容認している。選定理由は説明されるのか? <個別指導について>
厚生省は,集団的個別指導の段階で高点数が継続した場合は個別指導の対象になることを説明していることなどを理由に,個別指導の選定理由は説明しないとしている.選定の対象となるデータは? <集団的個別指導について>
社保本人レセプトの1カ月の平均件数が.おおむね10件未満の医療機関は集団的個別指導の選定対象にならない.
社保本人単独分のデータを用いるので,老人助成など併用分は除かれる。
*使用するレセプトは指導の1週間程度前に通知される。指導の際の持参物、また指導内容は? 集団的個別指導にはカルテや伝票類を持参しない.厚生省は教育的観点から指導する.つまりレセプト1件当たり点数が高いことを認識させ,保険診療に対する理解を深めさせるとしている。
(しかし、すでに集団的個別指導を担当した非常勤歯科医師のなかには,ほんとうに教育的観点から指導するのはむずかしいという意見もある、とのこと.)指導に係る返還金は 集団的個別指導には返還金はない。個別指導には、適正を欠くとされた場合,原則1年以上(未確認/筆者)について返還が求められる.返還は同意したものについて行えばよく、提示されたものをそのまま返還しなくてもよい。